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5月13日(月) 寒い…目覚めると急激に気温が落ちていて、しかも思いっ切り雨が降ってる、ああなんと憂鬱な月曜だと嘆いている人も多いことだろうニューヨーク。そんな時コイはとても90度だった。何故かその角度が気に入ったようで、けっこう長い間誇らしげに90度の傾斜で無理に落ち着いていらっしゃった。前足の下にはさりげなく新聞の束なんかが敷かれていて、自らの体温でぬくもりを感じることのできる特別仕様になっているようだ。そう言えば、昔住んでいたスタインウェイのアパートには「社長椅子」と呼ばれる白い革張りの肘掛け椅子があって、コイはよくその椅子の上に乗っかって肘掛け全体に身体を預けるようにして90度の角度を形成していた。だいたいゴロゴロと喉を鳴らしウルウルと瞳を潤み幸せそうにしていたものだ。もしかするとその当時の心地良さを思い出したのかもしれない…しかし、見ている側から言わせてもらうと、その90度の段差は壁から50センチほど離れて平行に走っているために、まるで先生にキツクしかられて教室の隅で立たされているアメリカの子供のように見えてしまうから、とても、いやかなり変なのだ。おまけにペイアテンションされているのがわかると、嬉しそうに瞳を潤ませるから、まるで反省して「もうしません…」とべそをかいているように感じてしまう。ペルシャ猫ってつくづく変な生き物だ。 |
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5月12日(日) 最近猫兄弟をシェルパバッグ(携帯用のソフトなケージ)に慣れさせるために、わざわざ外に連れ出している。昨日も天気が良かったので近所のトンプキンズスクエアパークにピクニックセットを持って出動。ファファはいつものようにバッグからヒョコンと上半身を乗り出して、たまにしか見られない外界に興味津々でキョロキョロして楽しんでいるが、コイはバッグの奥深くにうずくまってしまっている。コイは本当に恐がりだ。ちょっと雷が鳴っただけでクローゼットの奥とか、テーブルの下とか、どうやって入るのか理解に苦しむようなセキュアプレイスを見つけては身を潜める。基本的に窓辺から外を眺めるのは大好きだけど、ちょっとでも大きな車が通り過ぎると。すぐに血相を変えて逃げて行く。そんなわけで、コイにとって外出するというのは相当ストレスのたまることに違いなく、ちょっとの時間にも関わらず部屋に戻ると毛並みが荒れ、肉球は汗ばみ、目は虚ろ、そして人間不信に陥り暗闇を目指してイチモクサンに駆けていく繰り返し。やれやれ。 |
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5月11日(土) スチュワーデスのお友だちにニューヨークのフライトが入り、と言うことは決まって夕飯を一緒に食べるパターンである。で、最近は何かというとチャイナタウンに行きがちだったので、たまにはは趣向を変えてゲイエリアウエストビレッジの激美味ピッツェリア「ピカソ」へ行ってみた。金曜夜というプライムタイムだったが夕方6時47分頃という微妙な時間に到着したので、こじんまりとしたガーデンの心地良い夕暮れ時に席が取れてラッキー! だって7時過ぎになって振り向いたら既に表には行列が出来ていたから。しかしまーホントここのピザは美味しい。味付けのセンスが抜群だ。我々のお気に入りは、ブリックオーブンの薪でこんがり焼かれた薄い生地の上にに、シンプルにモッツアレラチーズ、プロシュート(生ハム)、ベイビースピナッチを乗っけたビアンカ。シンプルイズザベストを体感できる一品なので、まだの方は是非トライして欲しい。外に出て5月の夜風に吹かれながら、久しぶりにグリニッジビレッジを散歩。最近治安の悪化が叫ばれている同地区だが、何てことはない昔と変わらず観光客や酔っぱらいでそこはかとなくワヤワヤしているだけだった。その後コーヒーが美味いことで有名なカフェダンテに入ってアイスモカチーノなんかを注文したら、ウエイトレスは妻の知り合いのブルガリア人でビックリ。相変わらず体調は悪いが、この季節のニューヨークは気持ちいいのでついついフラフラしてしまうのだった。 |
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5月10日(金) 今住んでいるアパートの裏手には4階建てのこじんまりとした別棟があって、そこには日本で言うところのワンルームが合計8世帯ある。全部で12畳ほどのスペースに簡易キッチンや小さめの冷蔵庫などが設置してあり、フルサイズのバスタブも備えている。奥まったところにあるから静かだし1人で住むにはまったく問題のない環境だ。1997年に初めてイーストビレッジに越して来た時もこの棟の1階に入居した。コイとファファがやってきたのもここだし、自分にとってもなかなか思い出深い棟なのだ。で、今なぜかオープンハウス(広告で入居者を募って、よーいドンで一気に集めて審査をする)が行われている。これが実にうるさい。何故なら裏手に行くには通りからいったん半地下に降りて、我が家の床下にある通路を通らなければならないから。ただでさへその半地下が補修工事中で話し声のボリューム調整装置のイカレたアミーゴ(中南米系)たちが朝から晩まで騒がしいってのに、参った参った。 |
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5月9日(木) 朝から雨模様のニューヨーク。夕方には激しいサンダーストームがやってくるらしく、なんだか空には不穏な空気が流れている…気がする。風邪はまだまだ収まらず、昨夜など鏡に向かい懐中電灯を使ってあまりにも痛む喉の奥の方を観察してみたら、どうも白い斑点のようなものがポツポツしているように見える…たぶんコイツが痛みの元…って、これ本当に風邪なわけ? |
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5月8日(水) 最初に…ああ風邪が治らない。この1ヶ月半、種類の異なる2つの風邪をずっと引き続けていることになるので、身体が段々と弱ってきているのを感じる。このまま衰弱して老衰?
イヤダー!
それは冗談として、なるべく市販の風邪薬を飲まないで、自然治癒を目指しているのが長引いている理由でもあるのだが、アメリカの薬は強過ぎるので風邪くらいの症状ならばなるべく避けた方が無難だと考えてのこと。で、頑張ってビタミン類を摂取、時にニンニクを意識して取り込んだり(1人だと妻がかわいそうなのでそういう時は一緒に食べる)、いろいろやってはいるのだ。でも改善しない。もしかすると風邪じゃないのかも…ドキッ! |
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5月7日(火) 先週の土曜日にヤンキース対シアトルマリナーズのデイゲームを観にブロンクスまで行ってきた。ヤンキースタジアムは4番線に乗ればダウンタウンからだって30分ほどで到着してしまうほどの至近距離にある。にも関わらず、近くて遠い場所だった…自分に取っては。ニューヨークに住み始めてから7年目、近くを通り過ぎる機会は数え切れないほどあったが、ベースボール自体を観戦することは何故かなかった。気が付けばポール・オニールやスコット・ブローシャスは引退し、ティノ・マルチネスやチャック・ノブロックは移籍し、4番にはジェイソン・ジアンビが座り、対戦相手のマリナーズには昨年MVPの日本人イチローや佐々木、長谷川がいたりする…時代は変わったものだ。我々は取りあえず外野席(ブリーチャーズ=暑苦しいヤンキーファンが多い8ドル最安席)を避け、次に安いティアリザーブ(3階席)のしかもバリュー(15ドル)をゲット、駅前の暑苦しいスーベニアショップで自分は大好きな背番号51バーニー・ウィリアムズのTシャツ、妻はヤンキースのオフィシャルキャップを仕入れ、入場前に早速着込む。チケットにはW18なんてあったので相当後ろだろうなと覚悟していたが、席を探し当てれば後ろから2番目の思いっ切り標高の高い、しかもかなりの急勾配にあって高所恐怖症の人には決しておススメできない。視野は画像にもある通りこんなもので、選手は豆粒のようだ…でも見晴らしは抜群で遠くには摩天楼なんかも見えて実に気分が良い。ゴールデンウィーク中だったこともあってか日本人の姿も多く目にした。最後列には日陰で肌寒いってのにTシャツ姿の酔っぱらった暑苦しい輩が陣取り、シアトルサックス! イチローサックス! We hate STARBUCKS! と時に訳のわからない雄叫びを上げ続けている。イチローが座席に入るたび湧き起こるブーイングの嵐を考えると、ヤンキーファンもかなり彼の実力を認めている証拠なのだが、何にしても純粋な地元ファンとして本当にイチローは嫌な選手だ。実際試合はイチローの活躍もあって嫌な感じ(押さえの切り札マリアの・リベラが打ち込まれ Blown Save した)でヤンキースが負けてしまった。悔しい!(イチローサックス!) が、ポカポカ陽気だったし Nathan's のホットドッグは美味かったしで言うことなし。 |
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5月6日(月) 久しぶりに自然史博物館へ行ってきた。と言うのも実は2000年のオープン以来一度もローズセンターを訪れていなかったから…。このローズセンターというのは地球と宇宙の神秘と謎を解き明かすがテーマになっていて、呼び物は何と言っても4階建ての直径はあろうかという球形のプラネタリウム(ただし、ここではスペースシアターと呼ばれている)。初公開時にはトム・ハンクスがナレーターをつとめたことも話題だった。という訳で実質9ドル払ってスペースショウとやらを予約。 |
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5月5日(日) 今日は画像はないけれど、コイの5才の誕生日である(555=GOGOGO!)。おめでとうコイちゃんめでたく5年間生きました。これまで我々人間をしっかり愛してくれてどうもありがとう。そしてこれからも仲良く一緒に暮らしていきましょう。Happy
Birthday Koi, We love you. |
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5月4日(土) そして昼食。住んでいたときは一度も行ったことがなかったのだが、その昔 J・F・ケネディもあしげく通ったという有名な老舗シーフード店のひとつである Union Oyster House へ。たぶん今ボストンで味的にもビジネス的にもうまくいっているお店は Legal SeaFood Restaurant チェーンに違いないのだが、我々はこの1826年創業というとてつもなくクラシックなお店を選んだ。で、案内された薄暗ーいボックスシートに座り、下調べしておいたメニューからまずはシーフードサンプラー(9.95ドル)を注文し、妻だけ美味しそうに新鮮な生カキとケープコッド地区で採れるチェリーストーンという生ハマグリにレモンをシュワッとやってお食べになった。自分は生ものはダメなので蒸したシュリンプをタルタルソースで食べた。そしてカップでクラムチャウダー(3.5ドル)、海鮮揚げ物盛り合わせであるフィッシャーマンズプレート(15ドル)を注文したら、ホラこの通りてんこ盛り…。ある程度予想してはいたのだが、思った以上の量だった。カキ、カラマリ(イカ)、ホタテ、タラ、ポテト…これでもかと言うくらい盛ってある。さらにフィッシュバーガー(8ドル=画像右)を注文していたので、ハッキリ言おう絶対頼み過ぎ。臭味も少なくカラッと揚がったフライはどれも美味しい…確かに美味しいが大味である…ピリ辛ケチャップとタルタルソースは飽きるので、途中から何を食べているのかわからなくなった…そして最終的にはこれ以上ないほどもたれた…教訓:ポケットに醤油の小瓶を忍ばせてくれば良かった。 |
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5月3日(金) で、ボストン話の続き。昔暮らしたのはボストン随一のイタリア人街ノースエンド。その目抜き通りであるハノーバーストリートをテクテク歩き、この地区唯一のチャイニーズテイクアウトを左に曲がるとノーススクエアというこじんまりとした三角形の広場に行き当たる。広場は船の碇と鎖を使用したオブジェクトとガス灯に囲まれ、中央には色とりどりの季節の花=今はチューリップが咲き乱れている。そして、ちょっとした傾斜の坂道には昔ながらの石畳が敷きつめられている。うーん、もーとにかく可愛いねー。ここには観光名所のひとつ、ボストンで最も古い木造建築でもある独立戦争の雄ポール・リベラの生家が保存されていて、多くの観光客も訪れたりもする。見えますか?
画像上の丸い出窓の建物の5階の部屋に、うふふ半年暮らしていたのです。当時はあまり良好なコンディションとは言えず、部屋は寒いわ雨漏りはするわでけっこう大変だったけど、窓から見えるハーバーやゴチャゴチャとしたノースエンドをスルーして近代的なビルを多く抱えたファイナンシャルディスリクトとのコントラストは見応えがあったし、なかなか記憶に残る素敵な部屋だった。 |
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5月2日(木) 朝いちのボストン行きユナイテッドのシャトル便は悪名高きエアバスA320型機(横6座席のみの小さな飛行機)につき、普段は感じない種類の揺れを感じたのか妻が乗り物酔いをしてしまった。そもそも前の晩に「遠足前症候群」にかかり興奮しほとんど眠れなかったのも一因らしい…あははお気の毒(※注:すぐに直った)。わずか35分ほどで到着したマサチューセッツ州ボストン市、ローガン空港はやはりニューヨークよりも肌寒く気温も1〜2℃低かった。しかしながらまさに5月の青空はどこまでもヨーロッパ的な街並みをよりいっそうフォトジェニックに演出。うーん、やっぱりボストンって絵になる街よね。空港から無料のシャトルバスに乗ってサブウェイの駅へ行き、昔住んでいた頃には存在しなかった「ビジターパス=6ドルで地下鉄&バス1日中乗り放題」なるものを購入し、ブルーラインに乗りガバメントセンターで乗り換え、昔暮らした懐かしいノースエンド地区へ向かう。ところがちょっと勘違いして1駅乗り過ごし、プレイオフ進出で盛り上がるフリートセンター(旧ボストンガーデン)駅まで行ってしまい、仕方なく降りてそこからヘイマーケット方面へ歩いた。 |
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5月1日(水) それは2000年の大晦日の話。我々夫婦は大雪のJFKを飛び立ったユナイテッド801便で成田に向かっていた。元旦には実家に到着しゆっくりしようという計画だった。機内でワインを貰ってささやかに新年を祝い、あと5時間余りで成田に到着する地点まで飛行は順調だったように思う…モニタに映し出された地図を見ると航跡はアラスカを通り過ぎようとしていた。そこで突然機長のアナウンスが入る。「当機の4つのエンジンのうち1つが壊れたために成田まで辿り着くことができません。これからサンフランシスコに引き返して緊急着陸いたします。ある程度の揺れが予想されますので皆さま座席ベルトをしっかりおしめ下さい…」。なぬ?
妻と2人顔を見合わせて青くなったり手に汗握ったりした。結局タイムマシン化した801便はガタガタひっきりなし揺れながら再度2000年のサンフランシスコ午後11時に着陸し、そこからあてがわれたしょぼいホテルへ。ホテルにチェックインするための長い長い列に並んでいる途中で2度目の2001年を迎え、結局日本に到着したのは翌2日の夕方だった。 |
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