heorshe HIROSHI TOKUI homepage - 猫兄弟特選の旅 パリ

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パリの犬々は確かに可愛いけれど、人々と一緒でちょっとスノッブで生意気だ。
プリオリティで考えてもかなり優遇されているから、犬も気がつけば「アタシを誰だと思ってんのよ?」なんて態度になってしまうのだろう。
何かホンと人格ならぬ犬格のエスタブリッシュされた輩が多いのは確かなのである。

ハイハイと言う訳で街中の道路にもこのように綱吉将軍が見たら喜びそうな、お犬様用の標識がちゃんとペイントされていたりする。
これはたぶん「犬専用レーン」または「犬はこっちを歩け」とか「犬はこっち向きに歩け」みたいな意味だろうか…いずれにせよ犬自身にこの標識が読める訳ではないので、人間どもがちゃんと理解して自分のコンパニオン様に教えてあげる仕組み。

メトロ5番線のオステルリッツ駅は実にセンス抜群な駅で好き。
昔ここでファッションポートレーとをよく撮影したりしたもんだ。巨大な駅舎後(現在は駅としては使用されていない資材置き場)は巨大ボタニックガーデン的温室のようでもあり、宇宙的でちょっと素敵なおススメの場所。

偶然全くこれと同じアングルの写真がパリを特集した雑誌に掲載されていたのをNYに戻ってから発見し少し嬉しくなる。
場所はモンマルトル、サクレクール寺院の裏通り。たぶん100年前から何も変わっていないような通りで、日本人誰もがイメージする所のクラシックなたたずまいに石畳なんて素敵でしょ?

あああナンテこったーっ!絶対失敗したよーこの季節にパリに来るんじゃなかったーって正直思う。だって人が多過ぎて、これ決してオーバーじゃなくって、マレ地区なんか道で擦れ違うのが大変なくらいの人人人…これじゃ疲れる。
観光名所はどこもそんな感じで、よく考えたら住んでた時もそんな所に頻繁に行ったことはなかったら、余計そう感じたのかもしれない。
今回は初パリのコンパニオンと一緒だったので、嫌だろうが何だろうが行かざるを得なかった…でもやっぱ疲れてたって…顔に出ている。

いきなりついたその日から雨だっつーのに、わざわざモノプリで傘買って、サンルイ島からノートルダム抜けて、カルトオランジュ(1週間用のメトロ定期)買って、サンマリテン寄って買い物してポンヌフ見てなんて回り過ぎだ絶対。
2日目も早起きしてオルセー行ってルーブル行ってシャンゼリゼ行って凱旋門行ってさらにエッフェル塔行ってるなんて、ああ信じられない。
までも今回思ったが、やはりパリは言葉のストレスってのがあって、むかしゃそういうギャップをそれなりに楽しんでいたが、現在完璧に英語圏で生活しているので何でもかんでも英語的に考えてしまう傾向が強く、結果的に頭がこんがらがることが多い。思うようにならない(特にメニューが読めない)ってのは結構歯がゆい…。

3日目はマレ地区をぐーるぐる回ってお買い物し、その後ポンピドゥー、レアール、サンドニに抜けて、帰りしなベルビルに寄って帰るという、またもや結構広い行動範囲なのでした。

 

モンマルトルへはメトロ12番線のAbbessesが近いけど、個人的には1駅前のピガールあたりで降りて、だらだらと続く上り坂から行くのが好き。
セネガル人なんかの多い生地問屋界隈や安売りで有名な下世話スーパーTATI(大好き)を抜けて、サクレクール下から心臓破りの階段をわざわざ登り(ここにはお年寄り用にケーブルカーもあります)息切れしながら丘の上の階段に辿り着き、腰を降ろしてパリの街を一望するのがトレビアーンだから騙されたと思って一度試して下さい。

初めてパリに住んだ時、たまたまこのボージュ広場の近くにアパートがあって、特にすることなどない自分はよくこの場所を訪れ、一日中ベンチに座って今では吸わなくなった煙草をもくもくとふかしながら、本を読み漁っていた思い出の場所。
久しぶりに訪れて昔と同じようにぼけーっとして見たけれど、やはり無目的でいることほど有意義なことはない…なんて思った。

パリの若い人達…まぁパリに限らずヨーロッパ中のティーンはアメリカ文化にこよなく(救いようのないくらい)汚染されていて、落書きなんか見てもニューヨークのそれと内容的には大差ありません。んが、決定的に異なる点として挙げられるのが、その色使いや構図のセンスの良さとフィニッシュが几帳面なこと。センス良くレベル高し。
でも貴重なモニュメントなんかにあたり構わず落書きするのはやめて欲しい…だって観光客としてはやっぱりそういうクラシックなイメージを抱いている場所にそういうのがあり過ぎるのは悲しいもの。

それにリセエンヌとかとにかくロリータなお国柄、フランス人のティーン男の子/女の子とも独特お洒落で、特別な存在であって欲しい(願望が)個人的には強いのだけれど、どいつもコイツも好んで着ているのはGAPやらDIESELやらアメリカンばっか…何だかねー別にいいけどちょっとガッカリ。

4日目にモンマルトルへ行ってくまなく探索した後に、TATIのワゴンセールで"NAFNAF"の服を異常に安く売っていたので激混みの中モサモサ。
ついでに近く手芸屋さんで何十年も前の可愛いボタンやらテープやらもモサモサ。
その後電車1本だからとサンジェルマンデプレまで行った頃には、私のエネルギーはすっかり切れ切れになり、休憩で入ったカフェフロール(あの有名な)で駄々をコネ、本当はそのあたりで買い物する予定だったのを飛ばし部屋に戻ってダウンしてしまった。
ところでその日、妻はピンピンしていた…うーん買い物に関して自分は虚弱体質だ。

 

週末は予定通り早起きして蚤の市へ。先ずは慣れ親しんだクリニャンクールへ。
まぁ昔と変わらずマルシェヴェルネゾン以外、住んでない者にはあまり魅力無し。
今回もいつものように収穫はバーボンのキーホールダーとアンティークのレース、ボタン、リボンなど。
昼に食ったサラダにあたり派手に下痢ピる私。日曜は午後のTGVでボルドー行きだったので、13番線に乗ってえっちらおっちらバンヴゥまで。
個人的にはやはりこっちの方が楽しいし、昔ながらの蚤の雰囲気があってバッチグー。
キーホルダー、VIANDOXのカップ、LOTTOの灰皿、謎の壁飾り等いろいろと収穫あり。

スペイン/イタリアから戻った最終日、名残惜しく最後のカフェオレを頂き、ボージュ広場を通ってマルシェへ立ち寄ってキッシュなんか食べて、それでサンルイ島でアイスクリーム食べたり、モノプリで食材買ったりニコラでワイン仕入れたりパン屋でバゲットとクロワッサン買ったりとそれなりに忙しかった。

でも今思えば最終日が一番パリっぽかったなぁ。
今度行くときはなるべく「どこかに行かなければならない」理由を排除して無目的にステイするように心掛けたい。そうじゃなければ疲れるの必至。

いつも人が凄いので行くのを避け続けていたルーヴル美術館へ今回は行ってみました。
そしておそらく最も人密度の高いであろう2階ドノンウイングの13〜15世紀イタリア絵画コーナーの、えへへへモナリザ様でございますよ…やはり他のコーナーにゃ大して人がいない(広いから)ってのに、モナ様の前だけはすんごい人だかりだった…特に中国系観光客よ、ここは本土じゃないんだから人をその強力な肘でドツくのはやめなはれ!
ほらモナ様も笑ってらっしゃるじゃないか!

回顧シリーズ:昔住んでいた通りの名前がルーモントウゴイユと言って実に発音の難しい通りなのだが、パリ解放の時の誰かの書いた有名な絵にもあるように、昔ながらの市場の雰囲気が残っていて、やはり何とも言えぬ居心地の良さ。
当時は調子が悪かったのであまり冷静に通りを観察していたとは言えなかったので、こうしてじっくり見ると意外や流行のお店が多数あって、東京で言うところの代官山的な場所になりつつあるらしい。
うーんいい所に住んでたんだなぁ…

大好きなオルセー美術館にも行き印象派の珠玉の名作を堪能。
特にうーんやはりバンゴグは素晴しく力強いから好きだなぁ。ルノワールもモネも巨大なロートレックも建物もいかにもパリらしい美術館。でも激しく混んでた。
オルセー後にピカソ美術館にも行く。やはり美術館はこのように例えば1アーティストだけを扱った回顧展的なほうが内容も分かりやすいし、スケールもちょうど良くて肉体的にも疲れないから好ましい。

改装済んだポンピドゥーセンターはフレッシュペイントが施され、より一層派手になった印象を受ける。だって昔はこんなに緑とか黄色とか赤とか強くはなかったもの…印象としては鉄パイプ剥きだしで青っぽい感じだった。
で、中味もかなり充実したらしく、入場するだけでも長蛇の列…上階にある図書館とコンセプトショップ「プランタンデザイン」が大人気。広場には観光客の渦の中にいつものように大道芸人やら、あやしいアフリカ人たちが沢山いらっしゃって、ある意味実にファンキーな場所だ。
そういう光景を近くのお気に入りカフェバブーからぼけーっと見ているのがまた楽しい。

初パリの妻がしきりに面白がっていたのが、歩行者用信号機のデザイン。これ地方都市なんかではデザイン(人の形)が微妙に変わっていて細かく観察すると実に興味深い。ニューヨークにも似たようなものはあるが決定的な違いは、誰もそれを守っていないってとこ。
パリの人は比較的まじめに辛抱強く信号待ちしていらっしゃるのだった。

トイレは相変わらずだ。2フラン入れて使える公衆トイレは使用後に回転しながら自動洗浄する仕組みになっているので清潔で良い。嘘かホンとか知らないが、昔このトイレにホームレスが入りこんで洗浄されて死んでしまったと言う話しはあまりに有名。
これ以外にもパリには変わったトイレが多く存在し、例えば古いカフェなどのそれは、まるで日本の和式かと見紛うような作りで、単純に溝が掘ってあって、その中に足をかろうじて乗っけられる石の島が作られていて、人はそこに立ち(または座り)用をたすシステムになっている。知らないでこの種のトイレに入ると結構ビックリ。

フランステレコムも頑張ったもんだ。何年か前までの電話事情は結構最悪だったはずだが、インターネットの需要と共にネットワークが整備されたようだ。
そうでなくともフランスには優秀なテクノクラートたち?が多く存在すると言うのに、その人達が全然役に立たない=全く使え無い。ふふ、電話が繋がらなくて呆れ返っていた昔が懐かしいってもんだ。

結構早くからカード式公衆電話を導入したのはいいが、何で硬貨も併用できるように作ってくれなかったーっ!と私は言いたい。だって夜中にカードが切れてたりして、カフェ(で売っている)がしまってたりすると電話かけられないんだもん。
もっとも今やどいつもこいつもセルユラーを持っているから関係ないけどね。デザインは流石モダンで格好いい。

いろいろ異なる常識の元に成り立っている国に滞在していると勉強になる。
特にフランスは根本的に融合することの不可能な国+人種だと思うので、なおさらそう。街角一つとったって曲がる度に新しい発見がいっぱい…だからこも街って面白い。

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