街は無茶苦茶古い。建物も実に古い。ゴシック系の教会なども古い。古い古い古い。
街も旧市街なんかまじで昔のしかも本当に古いツルツルの石畳だし、これだけ古いくせ規模がでかいと言うのは少々新鮮だった。でもパリみたいにモダンな建築物との融合の試みは少なし、旧泰然とした街の姿勢は頑固な市長によるものなのか伝統なのかはわからず。特殊な街ですたぶん。
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電車で3時間ほど行けばもうコートダジュール、このあたりまで来ると地中海性気候なのか大西洋岸特有の気候なのか(詳しくは知らない)とにかく気持ち良い。
梅雨なんかをよく知っている特に我々日本人なんかにゃ完璧にマッチ。教会前のスクエアで一休みしていても、ああ木漏れ日が美しくって心地良くって、特に具体的な会話も必要無くただただベンチに腰掛けているだけで、有意義な時間がゆったりと過ぎて行く土地。
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パリから
TGVに乗って南西へ約3時間、やって来ましたボルドーへ。
何といってもワインの銘柄として名高いこのペリゴール地方、フランスでも名高いグルメな街としても有名なので
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勿食いしん坊な我々に持ってこいだーっ!
この地方の名産品であるところの、論ワイン(特に赤)、フォアグラ(あひる/がちょうの肥大させた肝臓)、トリュフ(冬の間だけ採れる香り高い黒きのこ)、くるみ、苺、プラム等など…うふふふ食い捲ってやる、と意気込んだのはいいが、実は人々があまりにも優雅で高慢ちき、つまりスノッブだったのにはビックリ。聞けばボルドーはそれはもう裕福な街なので、下手すりゃパリジャンよりも嫌なヤツ多いよとのこと。確かに街には東洋人なんていないし、歩いていてもくっついて来る視線は冷たいと言うか、変わった動物でも見ているかのような種類のもので居心地悪し。
しかしながら
その抜けるような青空、クリーンエアに低湿度、木々から漏れるビームは初夏を迎えた中世の面影を残す街並みにくっきりと美しいコントラストを作る…ああああなんて美しい官能的な街なんだろうと正直思う(ちょっとうらやましい)。
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ガイドブック
がない我々の唯一の情報源はフィガロジャポンの「ボルドーと小さな田舎街」と言う特集の3頁のみ。な訳でそれに出ていたギャラリーデグランゾムというパッサージュ/モール的なショッピングセンターへ先ずは行ってみました。なるほどそこの地下にあったシャンピオン(チャンピオン)は食材豊富でお土産選びには持ってこいのスーパー。
この後移動するスペインとイタリアの友人のために、鴨のテリーヌとか八目鰻のサンテミリオンワイン煮とかタラマ(魚卵)ペーストとか、自分たちの歯磨粉とかいろいろ仕入れてご満悦。何がいいって人が全然いないのがポイント高し。それから流石ボルドー、普通のスーパーなのに扱っているワインの多さとリーズナブルさにゃ感謝感激間違いなし、おススメです。
さらに近くにジャンダロと言う有名チーズ屋があったので、フレッシュヨーグルトともう完璧にクサイ私ら好みの羊チーズを購入。これが絶品!ホテルで開けたワインが進む進む…ああ美味しいものに囲まれて幸せ。
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迷路のようにごちゃごちゃした旧市街はそれはそれは探検には持ってこい。
ガイドブックも何も持っていなかったので、とにかく闇雲に歩き回る。角を曲がる度新しい発見が…それからこのエリアはどうやらお洒落な若者たちの溜まり場となっているのか、小洒落たお店が多数存在しているようだった。
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夜のボルドーはたぶん健全。
みな夕食を取ってバーで一杯くらいやったら「おやすみー」なんて感じ。道行く人もいかにも「美味い飯たらふく食って、抜群ワインにご満悦」な方々が多く、若者も小綺麗に着飾って夕食に行くのが常識らしく、パリでは発見できなかった正当派フレンチカジュアル、いたいた大発見こんな地方都市に!うーんみなさまお洒落だわね。
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フランステレコムの公衆電話ボルドー版。ぬぬぬローマ帝国時代より栄えたという中世の面影を色濃く残す街並みにこのデザインかい、やるなーアンタらまったく…
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サンジュアン駅は下世話で上野駅みたいだった。駅から街までキャブったけれど、BMWを駆るおばさまの運転はこの上なく荒かったし料金もちょと高かった。
街の規模はまぁまぁでかいのに地下鉄というものが存在してないから、バスでも乗らない限り市内の移動はけっこう大変だと感じる。
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歩行者用信号機シリーズ?:ボルドーの特徴は、歩けサインの人型の足元が少しベルボトム目で肘がゆっくりカーブしているので、見え方としてパリと違って実に優雅な足取り。
止まれサインからもどことなく余裕が感じられ、こんな所にも裕福さが!ナンテこったい。みなそれなりに信号は守るようだ。
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田舎パン…ああ田舎パン田舎パン…旧市街にあるルパンデムリーヌと言う小さなこだわりパン屋さんは凄い!バイオ農法で作られた漂白されていない小麦粉を天然酵母でふわりと焼いたと言うそのこだわり、わざわざ遠くから買いに来る人がいるほどの有名店で文字通り「田舎パン」らしきものを購入…これがアンタもう涙モノ。
今まで食べたパンで歴代1位と言い切ってもいい位マジ美味かった。おじさんの人柄も良く好感が持てます。早速翌日朝にリピーターになっちまった。
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グルメでスノッブな街での夕食は、東洋人の見当たらないハイソなレストランで69フランメニュー(セット)を。
前菜のフォアグラ(丸いのね)はベルジュラックのそれと違って油抜きのされた洗練もの。メインのフィレミニョンはジューシーで官能的。
妻のオーダーした鴨のソテーもこってりメドックとぴったりで流石だ!ああズルイぞちみたち毎日こんな美味いもの食べて!
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